2013年05月21日

Dhobi Ghat

DVDを買ってそのままだった『Dhobi Ghat』を見た。
こんなにスノッブかつスタイリッシュな映画だとはこのベタなタイトルから想像していなかった。ボンベイというインドの最先端な場所で生きる起承転結の無い群像劇。その中で発生する淡々とした日常と言葉のやり取り。淡い水彩画のような落ち着いたトーンは、こういうインド映画もあるのか、と濃厚なマサラ映画に馴染んでいる頭には新鮮だった。ヒンディー語を減らして英語ばかりにしているのもいかにもボンベイのイメージ。リアリティがあり半分ドキュメンタリーを見ているような気さえさせられる。脚本・監督は近年アーミル・カーンの衝撃の再婚相手として有名な夫人のKiran Rao。これ程の作品を作れるような人だったんだ。物語の大半は英語。ただスピードが速いし単語も複雑なのでヒンディー語以上に意味が取れない。よって英語のセリフにも英語字幕が付いているDVDがありがたい。

シャー・ルクやサルマーンと違い、作品ごとにガラっと演技を変えて臨むアーミル・カーンの2011年主演作。同世代のシャー・ルクとサルマーンの場合、良くも悪くも確固たるイメージが観客と本人との間に共有され、それに沿う形、あるいはそをもっと誇張しつつ魅せていくといった作風が顕著なのに対してアーミルは過去の作品のイメージを全消去したところから役作りをはじめているように感じられる。Aamir Khan Productions設立後は映画製作全体に関わり、『Peepli Live』や『Delhi Belly』などややクセのある独創的な映画を作っている。そのあたりも普段ボリウッド映画を小馬鹿にして観ないような層にも支持される所以なのかもしれない。

主演女優のMonica Dograは在米インド系で現在はインドベースで活動するミュージシャンで、この作品が映画デビュー作らしいが、自然なたたずまいがとても初めての映画とは思えない。インド系というのは正に魅力的な人材の宝庫だと思い知った。
posted by asiahunter at 00:38| Comment(0) | ■インド映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月20日

命ある限り

先日Yash Chopraの遺作『命ある限り(Jab Tak hai jaan)』をシネマート新宿まで観に行きました。シャー・ルクを巡って二人のヒロインと三角関係になりながらも、その関係は良好さを保ちつつ、純愛を貫きハッピーエンドという、コテコテのラブロマンス映画である種の郷愁を感じさせる、正にYash Raj系の王道映画だった。

独特の非現実感を漂わせるシャー・ルクは久しぶりにスクリーンで見たが相変わらず若々しく年齢を感じさせない。ヒロインのKatrina Kaifは現在インドで最も人気の高い女優だそうだが演技・ダンス共にDTPHのカリシュマーには及ばない。現代のロンドンを舞台にしているが、もう少しインドチックな舞踊シーンなどが挿入されていれば良かったと感じた。

ストーリー中でシャー・ルクが扮しているのはラダック周辺で展開するインド陸軍の爆弾処理担当。約10年で100件ほどの爆弾処理をした凄腕という設定だが、実際この数はリアリティのあるものなのだろうか?ちょうどパキスタン〜インドに抜けるルートで旅を考えていた所だったので気になった。また劇中のセリフで「一線を超える」というのが『Line Cross karna』と言っていてヒンディー語でも同じ表現をするんだと妙に感心した。その他細かいセリフなどやはり字幕があると無いのとでは理解に雲泥の差がある。また劇中やはりシャー・ルクがアコースティックギターを弾き語りするシーンがあるが、エンドロールに(ギター協力:Gibson)とデカデカとクレジットされてて、仮にタイアップで撮影にギターを供出したとしてもこんなに大きいクレジットならば費用対効果が大きい。
posted by asiahunter at 01:32| Comment(0) | ■インド映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする