2014年01月04日

ラージャスタン州ジョードプル近郊のビシュノイ村巡り

ビシュノイとは29(ビス=20+ノウ=9)の戒律、という意味で、中世に発生したこうした厳格な戒律を持つ人々が特にラージャスタン州ジョードプル〜パロディ郊外に点在している。(ちなみに『29』は通常ヒンディー語では『ウンティース』というのに、なぜ『ビシュノイ』とするのか彼ら自身に聞いても分からなかった)戒律は厳格に肉食・飲酒・殺生などを禁じられている他、青色の衣装を着てはいけないといったユニークなものもある。

この日(2013年11月21日)訪問したのはグーラー・ビシュノイ村という場所で、ジョードプル近郊も他のインドの地方同様、州内津々浦々くまなくバス路線が走ってはいるものの、ビール族など他の指定部族や指定カーストの村などが複数あり、地元の案内人など無しに単独で訪問するのはやや難しい。従ってジョードプル近郊の村を回るのもタクシーのチャーター便利。駅から東の方に約2km、ラージャスタン州政府観光局の事務所があり、そこで貸し切りのタクシーの手配が可能である。

現在パキスタンとの国境を接するエリアにはパンジャーブ州のスィク教に代表されるような、中世になって誕生したヒンドゥー教とイスラム教が混合/融合したような宗派・宗教が現存している。ラージャスタン州のビシュノイもそうした時代に誕生した改革的宗派の流れの中の一つと見える。



服装上の特徴として、女性の球体状の頭飾りはボール、耳飾りはトーティ、半月状の鼻飾りはゴーリヤ、(上部の)太い足輪はカリー、(下部の)細い足輪はベリーという装身具を常時、身に着けている。鼻飾りは22金で出来ていて結婚式以降の身に着け始めるという。男性は白いターバン、白いクルター・ドーティを着用している。



飲酒・肉食はしないという戒律を厳格に順守するビシュノイの人々だが、インドでも非合法の嗜好品としてオピウム(阿片)を吸引しているという。吸引器はビシュノイの言葉で『カド』というらしい。あたかもティー・セレモニーのような儀式ばったやり方で吸引する。一回の摂取量は1.5〜2g、これを3日に一度ぐらいの割合で摂取するらしい。それ以上の頻度で摂取すると中毒になるからだという。オピウムの入手先は政府公認栽培農家が隣のMP州にあり、そこから購入していて、価格は10g=500Rs程。赤ん坊がむずかった時なども使用するらしい。



主要な祭礼としてはジャンボー・ジーの生誕祭の他、10月に行われる、かつてこの地で彼らの先祖が旧藩主によって大量虐殺された事を慰霊するケージャリ・サヒード・メーラーという祭りがある。その他の主要なビシュノイの祭礼


動物の殺生をしないビシュノイの村には多くの野生動物を見かけるが、クジャクと並んで目を引くのがブラックバックと呼ばれるウシ科に属する見た目はシカに似た動物である。このブラックバックを、ビシュノイの人々は始祖ジャンボー・ジーの生まれ変わりとして崇めているが、1998年10月、この地で『Hum Saath Saath Hain』を撮影中だった人気ボリウッド俳優サルマン・カーンらが深夜オープンカーでブラックバックを猟銃で狩猟し、ジョードプルの宿泊先の厨房に持ち込み調理途中で通報を受けた所轄署によって逮捕・拘束された。ちょうどこの時リアルタイムにインドに滞在していた私は、朝刊一面にデカデカとサルマン逮捕の記事が出てびっくりしたのを覚えている。
この事件について詳しいサイト

この地方の村(ビシュノイやパテル)の人々が使っている石臼は、写真のように主食にしているバジラ(Bajira/बाजर)というヒエ(トウジンビエ)から2kgの粉にするまで1.5時間かかるという。最近はマーケットで機械で挽いたアーターなどが簡単に入手出来るようになったが、手回しの石臼で自分たちで挽いたバジラの方が美味しいという。







この村巡りで、バジラのロッティ(Bajiri ki roti)を主食に、おかずとしてサングリ・キ・サブジ(Sangri ki sabji/सांगरी की सब्जी)を頂きました。サングリはマメ科の植物らしいが、見た目は木の枝のようで、よく煮込まれてないと固くて昔、消化不良おこした事があります。この時はサングリの他に、自家製のダヒーとハルディーで作ったというスープ状の酸味のあるカレーも頂きました。それから北インドでもUPやビハールやWBなどではあんまりテーブルなど使わない印象だが、西インドは写真のように低いテーブルで食事する光景を目にする。













また気化熱?を利用するという外側を牛糞と土でコーティングしたという自然の冷蔵庫も興味深い。外部が50度近く上昇する酷暑期でもダヒー含め食べ物の腐敗を防ぐらしい。
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2014年01月03日

グジャラート州ブージ近郊の村巡り【メグワル族の村】

クジャラート州ブージ近郊を巡るために、ブージ市内のバスターミナル近くに並んでいるタクシーをチャーターした。この地方の部族特有の泥・牛糞・石灰などで作られた壁面に特有の装飾(内装・外装)を施した家と、刺繍やミラーワークの施された女性の衣装、又そういう人々の食べる料理を食べるのが目的で、バスなどの交通機関では行動が限定されるためタクシー利用した。タクシーはシーズン差があるらしいが、常時多くのタクシーがバスターミナル近くに客待ちしている。他の北インドの観光地のように物凄くしつこい客引き行為はない。回りたい場所を説明して価格交渉するが半日周辺の村を巡回して約1,800Rs程。大体インド全般的にこうしたタクシー・チャーターする場合の料金目安としてAC無しのもので1km=7Rs計算(エアコン付は1km=8Rs)という。

この日(2013年11月23日)行ったのはメグワル族という指定部族が居住する村(耳で聞いたので正確かどうか不明だが”ビンディヤ村”及び”ルルワ村”という)。外壁はファンシーな図柄がカラフルに施され、中に入ると特に壁面上部に金属食器がきれいに陳列されている。また部族女性の日常着や装身具が非常に凝った作りとなっている。メグワル族は元々は出自がラージャスタンで、クジャラート以外にもインド中部に点在しているという。以前マハーラーシュトラ州プーナの駅周辺のバラックに住む彼らを見たことがある。路上で煮炊きしていた乞食然とした姿だったが、どこに行っても普段着がミラーワークと刺繍が施された派手なものなので非常に目立つのである。また彼らが身に着けている装身具など『どこで売っている?』と聞くとラージャスタンから行商人が年に数回こうしたものを持ってきて商売するのだという。









村に到着すると、こうした観光地化された村特有の対応だが、村の女性たちが自身で手作りした刺繍の布製品などを手に購入をすすめてくる。興味深く見させてもらうが購入しなくともそれ程無理強いすることはない。若干拍子抜けする。









あなたのカーストは何ですか?』と聞くと『ハリジャンだ』という。
おそらく大勢の観光客が来るので慣れてもいるのだろうが、家の中を見せてほしいと言っても断ることなく見せてくれる。内部も外部同様整然としている。壁面は一般ヒンドゥーの家でよく見るような薄い青やピンクなどで塗装されている上に、幾何学的だったり自然をモチーフにしたりするアイコンが描かれていたり、また一部の壁にはサリーのボーダーのように、アクセント的にタイルが貼られている。身に着ける衣装同様、キラキラしカラフルな色使いが独特な印象。またステンレスや真ちゅう製のガラーと呼ばれる水壺が多く陳列されていたが、特にこうした乾燥地帯ではそれ自体がある種の財産になるのだろう。各家には水道など無く、近くの井戸までこのガラーを頭に載せて水汲みに行く女性の姿が日常的に見ることが出来る。















また各家には土で作ったチューロ(かまど)があり、ロッティを焼くためのロハ(鉄製)のタワ(鉄板)が載っていて、燃料には潅木や牛糞などが使われる。こうした調理環境は当然ロハス的ライフスタイルとして行っているものではなく、道具が無いからそうしているまでだが、ロハスに憧れる文明人のみならず都市部に住む一般インド人の郷愁もいたく刺激するらしい。人口の火であるガスよりも牛糞で調理された料理/チャイが理想とされるが、これはガスよりも炭火を上位であるとする日本とも共通する。



posted by asiahunter at 00:41| Comment(0) | ■インドの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする