2010年10月30日

SholayからMoti

『Delhi-6』を見た翌日、今度は東京国際映画祭で上映される『Sholay』を見にシネマート六本木という映画館に行った。『Sholay』などインドで最も有名な映画ではあるが頭からお終いまで通しできっちり見たことが無かったので、日本語字幕も付いているし、これを機に見に行った。日本語字幕は松岡環さんながつけたものと思いきや、そうではなく、かなり昔に付けられたもののようで、映画と同様字幕もまた時間経過と共にギャップを生じさせるものだと改めて感じた。しかしそれも含めて昔の映画という感じがして悪くない。またシネマート六本木という、やや古く空調の効きの悪い映画館も、リバイバル上映をインドの二流館で見ているような気にさせられるという点である種のデジャブ感を観客に与えていた。フィルムの状態も決して良くなく、ところどころ線が走ったり画面が揺れたりしたが、それら全てがある種の演出のようにも感じられた。内容は単純明快な勧善懲悪マサラアクションだが、アミターブもダルメンドラも全盛期はそれぞれの息子たちよりはるかに渋くかっこいい。ヘーマ・マリニーもジャヤ・バドゥリーも若くて美しく、さすがインド映画史上最もヒットした映画だけあって飲み込まれるように没入させられた。

さて、『Sholay』を見た帰り、せっかく10年ぶりに六本木駅に降りたのだからと六本木通り〜外苑東通り周辺ブラブラ歩いたが、怖そうな外人も多く夜も更けてきたので避難かたがた前々から立ち寄りたかったMotiに行く事とした。


Motiを代表するメニュー『モティ・バターチキン』1,650円と『サーグマトン』1,520円を注文。モティ・バターチキンは多分10年ぐらい前、Motiに二子玉川に支店があった頃そこで食べた事があると思うがそれ以来である。
このバターチキンは一般のインド料理店のそれと大きく異なる。説明が難しいが、クリーミーかつカシミーリーでいわゆるマサラたっぷりのカレー的カレーとは同じインド料理と思えないほど全く異なる。これにバターライスがよく合う。カロリーの事を度外視すれば何杯でも食べられる美味である。また日本の多くの店でははっきり言ってバターチキンにトマトピューレを入れすぎで、バターチキンというよりトマトチキンになってしまっている店も少なくない。そんなのとは段違いだ。


それからビールと共にタンドーリー・チキン1,550円


カレーと共に食すのはバターライス350円


及びバトゥーラ480円


店内の内装も重厚感があり、北インド料理が都内一等地に於いてゴージャスな食べ物として認知されていた古き良き時代を感じさせる。


首都高3号線下りに乗ると、大体渋谷手前で渋滞している。その際、高速上からよく見えていたのがMotiの看板と店内で、それを眺めては『よく客が入ってるな〜』と思っていたものだった。今日は立場逆転しMotiの窓から首都高3号線を見上げている。
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2010年10月26日

Delhi-6

昨日NHKが主催するAsian Film Festivalで上映される『Delhi-6』を見に行った。ここ数日イベント出店や大阪出張など重なって特に忙しかったが、今年何本か上映された字幕付きヒンディー語映画を見逃した悔しさが結構尾を引くので、今回は固い決意の元、渋谷に出かけた。で、結果非常に深く感動した。何年かぶりにインド映画を代表するようなインド映画?を観た想いがした。ここ数年はインドに行っても熱心に映画館などに通うわけでもなく、たまに話題作をDVDで見る程度でしかインド映画に接してこなかったが、このようなインド映画が最近生まれるのであれば、またインド映画を見てみたいと思わせるような作品だった。

まずこの映画の魅力はストーリー・テリングする際の目線の確かさで、もちろん主役の米国育ち青年アビシェーク目線ではあるが、だからといって一時の単純ヒンドゥスターニ万歳映画でなく、かといってインドの停滞・階級対立・貧困・迷信深さなどインドの暗部のみを告発するステレオタイプな社会派映画とも一線を画する。インド社会のプラスとマイナス両面を丹念に描きながらも、そのどちらかに偏ることを注意深く避けている。ヒンドゥーvsムスリムの宗教対立をも、例えばマニ・ラトナムのように深刻には描かない。化け猿騒動を前に、ひとまず対立を棚上げしてしまうインド特有のいい加減さをユーモラスに描いている。



それから劇中、効果的にカットバックされるラームリーラーの舞台世界。残暑のデリーで停電の暗闇の中、人ごみの頭越しに垣間見える爆竹とたいまつの灯に薄暗く浮かび上がる魔王ラーヴァナ姿は、それだけで正に中世か魔界にでも誘われたかのような強烈な幻覚を与える。人々は興奮のるつぼと化すが、それを中断して有力地元政治家が舞台であいさつするのもインドの象徴的シーンだ。CGのシーンも素晴らしい。アビシェークの住むNYの街に徐々にインド的アイコンが増殖するシーンは、増加する在米インド系を思わせ、CG映像がこれほどのインパクトを与える事が出来るという事実に衝撃を感じた。ハリウッド映画を含めてここまでのCG表現は初めての経験で思わず涙腺がゆるんだ。

こういう純客観的な視点の獲得はなかなかインド人監督には難しいと勝手に思っていたので非常に意外だった。外国人がインドに感じるようなアンビバレンツな感覚をインド人もまた感じ、さらに作品化まで可能だとは。監督がRang De BasantiのRakeysh Omprakash Mehraだったのも意外だった。DVDで見たがRang Deは個人的には全く駄作だったので。また映画の基調をなすカーラー・バンダル(黒猿)のモチーフとなった猿人間騒動はちょうど私がデリー在住当時に巻き起こった騒動で、さんざんマスコミが騒ぎ立て私も恐怖におののかされた一人だが、結局は(デリー東部・低所得者地区発生の)『真夏の夜のデマ』と新聞に締めくくられていた。そうした題材をそのまんま使うのでなく実に上手く映画の中に活用した点など、個人的体験も合わせてこの映画に没入させられていった。

それからA.R.ラフマーンの音楽。『マトンカリー、マトンカリー…』と聞こえるあの曲は一度聴いたら耳にこびりつく。最近のインド人はたいてい皆この曲をipodに入れていて『マトンカリー、マトンカリー…』と替え歌を歌っている。俳優陣の中ではオーム・プリーが歳を追うごとにトボケ度が増す感じで強烈なアジを出している。あれが全て演技だったらとんでもない超絶技巧者だと言わざるを得ない。

とは言えここまでの感動は、決して日本語字幕無しでは感じ得なかっただろう。特にこの映画のヒンディー語は聞き取りにくかった。
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2010年10月05日

納品

昨日、インド舞踊のCNC様に納品に行った。
CNCは年間通して多数のイベント出演の他、いろんな企画を立てて自主的公演も欠かさない、日本で最も多忙かつ大規模なインド舞踊集団で、いつも代表の野火先生はじめ皆様には大変お世話になっています。そのCNCが2010年11月16日(火)と17日(水)『ボリウッド&バングラ Part2』という企画で公演をします。インド クールガイ・ダンサー コンテストという興味深い企画も開催中。詳細はCNCホームページで。

野火さんはここ数日間NY滞在されていたそうですが、私も9・11テロによってチケット代が暴落した年の冬、友人と共にかつて一度だけNYを訪問した事があります。---その際の在NYインド人街事情---もうあれから10年なので、情報劣化しているでしょうが、これから行く方の役に立てば幸いです。

さてCNC納品の後、同じ新宿区内のインド料理「サルガム」にも納品に行ってきました。




昼の時間帯に行くのははじめてでしたが、ちょうど空腹でもあり950円のバイキングを堪能しました。特にナスとキーマのカレーが美味かった。ナスとひき肉という組み合わせはとても相性がいいと思うのに、インドでキーマにナスの入っているカレーは食べた事が無い。ムスリム集住地区で食べたもののなかにも、せいぜい数個のマタルが入っていた程度だった。ナスはナスで広くカレーの具在として使用されているのに双方がミックスされたカレーは存在しない。
さてサルガムの社長と話をしていたら、私が都内で最も美味しいと思っている神谷町「ニルヴァーナム」の社長も居た。よくよく話を聞くと、ここ四谷サルガムはニルヴァーナムのアニル社長がサルガムのラージ社長と共同で経営しているとのことである。それにしては味が違うがその辺は共同経営者に任せているのだろう。昼のブィッフェにはカカラも置いてあってお得感ありました。
posted by asiahunter at 18:40| Comment(0) | ■その他雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月04日

西大島「マハラニ」

先日、たまたま大島四丁目団地のアプナバザールに所用があり、その帰途近くにある西大島・マハラニに立ち寄ってサーグマトンとナーンをテイクアウトした。そのためにタッパを持っていった。


もちろん全てのメニューを食した訳ではないが、何度か通っているうち、ここのコックのお兄ちゃんがかなりの腕である事が分かったきた。彼はムスリムなので特にマトン系のカレーやビリヤーニ各種、タンドール系などのムスリム料理系が美味い。これはインド在住時は元より来日してからも埼玉にある純正ムスリム系インド料理店で長らく厨房経験をしてきたことによる。また彼はベンガル出身なので魚介類のカレーも得意である。それからカルカッタには現在も多くの華僑が在住している事から分かるようにインド系中華料理が発展していて、そちらのほうも守備範囲である。以前ここで『フィッシュ・スティック』という魚を棒状にしたフライを食べたが非常に美味しかった。インド風中華はベンガル出身のムスリムコックに限る。

店構えや店内の大きさなどといった外部要因に囚われてはいけない。厨房も小さいが、そうした環境に左右されず美味しい味を安定して提供できる所がプロたる所以。とは言え更なる設備があれば料理のバラエティーが拡がるのも事実。例えばムガール料理に『ルマール・ロッティ』というタオルのように薄く延ばしたロッティが存在するが、↓写真のように数秒でものの見事に生地をクルクルと拡張して見せた。だがこの拡張したロッティを焼くには半円状のロハ(鉄)製タワが必要で、そうした設備が無いためメニューには載せられていない。残念な事である。といっても全般的に非常に美味しく、ハズレは無い。





■インド料理「マハラニ」
東京都江東区大島2丁目35-9
posted by asiahunter at 10:57| Comment(0) | ■インド料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする