2008年12月24日

業務用グラインダー搬入

先日、知人の南インド人(テルグー系)某氏からの頼まれで、大井埠頭の東京税関まで船貨物の検疫&通関〜運搬の手伝いをした。

今回、インドから送られてくる荷物の大半はそのレストランで使用する食器類や調度品、中には巨大なガネーシャ像(入り口に飾るという)など重量級の混載荷物ばかりで、最も運搬に手こずったのは南インド式の業務用グラインダーであった。これはいわば電動式の石臼で、分厚いステンレスの囲いの中に重い石が三つも入っている。全体の重量は100キロ以上あるのではないだろうか。これを通関〜運搬など業者に頼むと少なからぬ額の費用が発生するだろう。出来る事は全て自分でやる主義の彼は私を伴って全ての手続きを苦労しつつこなした。

↑木箱で到着した業務用グラインダーを厨房に搬入。

↓大の男が三人がかりでやっと設置。

南インドの家庭でドーサイやワダーなどといった粉末食品を作るとき、多くの家庭では既製品の米粉や豆粉などを用いず、手動式あるいは電動式のグラインダーという機械を用いて粉を轢く。これは南インドでは伝統的に行われてきた家庭の習慣で、既製品より各家庭で轢いた粉の方がより美味しいという事は、南インド人にとって自明とされる。(尚、かつて主流だった手動式のグラインダーは手間がかかるものの、現在でも手で轢いた粉の方が味がいいとされている)
だだし、これを日本に置き換えると、例えばお好み焼きやたこ焼きを自宅で作る場合に、小麦粉の粉まで自家製粉してしまう事に等しい。いくらお好み焼きやたこ焼きにこだわりを持つ人々でも小麦粉製粉まで行わないだろう。この点、南インドの人たちの食に対する強いこだわりを感じる。


↑業務用グラインダー到着まで家庭用グラインダーで代用していた。
半日がかりで店内に器具・食器など運び込む。その合間にランチメニューを堪能する。サンバルがとても美味い。

(↑はランチタイムのメニュー。このうちDセット↓を注文)



(↑はランチタイム以外のメニュー)
二人居るウエイターのネパール人はもとより、経営者、テルグー出身のコックら二人も額に汗して運搬する。ただしこうした時もインドの女性は社会的慣習から、決して我々を手伝おうとはしない。これは今まで何度も同じような経験をしている。

(↑ネパール人のウエイターは南インド式のコーヒー攪拌方法にまだ慣れていない様子)

経営者の自慢は味の良さである。それを裏打ちする理由として、新規に雇い入れた南インドのコックは数日前まで銀座の某有名店で勤務していたコックである。
どのような勤務条件なのか知る由も無いが、一般的にインドレストラン業界ではこうした腕のいいコックの引抜など日常茶飯事で、中には数ヶ月単位でコロコロ勤務地を変わる者も居る。一般的に分はコックよりも経営者の方が弱く、メニューや仕入のみならず店の経営などまでコックが仕切る場合もある。経営者としては有能なコックを手放したくないので半分泣き寝入り的にコックの条件を飲むという話しも聞いた事がある。こうしたコックやインド系従業員のコントロールの難しさが店の経営を難しくさせていて、インド人経営者と言えども手こずる場合が多い。ましてや言葉や習慣の違う日本人経営者においておや。大半のインド系飲食業の失敗理由も要はこれである。
posted by asiahunter at 18:15| Comment(0) | ■在日インド系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月19日

ケーララ料理

昨日、ケーララ州トリバンドラム出身のある方と少ししゃべる機会があったので、長年疑問に思っていた事を質問してみた。それは、もう20年近く前に初めて訪れたケーララで食べた牛肉についてである。一般的に南インド料理とは菜食のイメージが強いのに、私が食べたアレは一体何だったのか?その後、ケーララ州を訪れる機会が全く無いままその疑問自体も忘れていた。
その答えは、その人曰くケーララの三割はキリスト教徒、三割はムスリムで合計すると人口の六割は牛肉をタブーとしないヒンドゥー教徒以外になる。ここではヒンドゥー教徒はむしろ少数派で、これがおおっぴらに牛肉料理屋がケーララに存在する理由である、との事である。最近ではヒンドゥー教の宗教的拘束力も薄まり、若いヒンドゥー教徒などには牛肉を食す経験をする者も少なくないらしく、実際、その話しをしていた若いIT系の彼も来日前に既にケーララにて牛肉を賞味済みだという。

ちなみにケーララで牛肉を食べた際、主食として食べたのがプットゥPuttuという筒状の蒸した米粉で、これもケーララ以外の地では見た事がないもので、大変美味しいものだった。尚、ネットなどで写真検索するとプットゥを作るには専用の調理器具があることが分かる。
同様にケーララ産の米粉を使った主食として他の地域で見ないものとしてイディヤッパム(Idiappam)というものがある。蒸した米粉をムルクメーカーで押し出したもので見た目は日本のそうめんに似ている。

↑アジアハンターでは『ムルクメーカー』も販売しています。
(定価: 2,500円) 

イディヤッパムの「アッパム」とはマラーヤラム語で『蒸した米粉』を意味するという。マラーヤラム語はタミル語と非常に近く、マラーヤラム語でこれは何ですか?をイディ・エンダ?と言うがタミル語ではイディ・エンナ?という。大半のケーララの人たちはタミル語を理解するので『マラーヤラム語が出来なくても大丈夫。タミル語が分かればケーララ州の観光は問題ありませんよ』と彼は言うがそのタミル語が分からない。

その他山間丘陵地帯の多いケーララ州はスパイス生産地としても有名で、多くのインド産スパイスはケーララ産であるという。コショーの産地としては知っていたが、カルダモンその他の香辛料なども生産高インド随一であるそうである。 輸出用としてコーヒーの生産も多い。
posted by asiahunter at 09:55| Comment(0) | ■インド文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月06日

インド仕入08

アジアハンターは9月8日〜9月19日にかけて、毎度おなじみインド仕入の旅に出かけます。
この期間中、不在となりますので、発送作業などが滞ります。ご注文いただくお客様各位には大変ご迷惑おかけいたしますが、何卒、ご容赦願いたいと思います。
尚、インド滞在中、通常のインド雑貨店などで入手困難な商品・アイテムなどの直接リクエスト購入もいたします。今まで入手をあきらめていた方もふるってご連絡いただければと思います。(実績多数アリ)


■今年になってはじめてのインド行き、インドに通い続けて早20年弱になりますが、出発前の緊張と興奮は抑え難いものがあります。インドでの楽しみは何よりも本場インド料理を堪能する事に尽きますが、商売上、日々忙しく問屋街を回るため朝・昼は摂る事すら無く、その代わり問屋が閉まった夜にこってりしたムガライ料理を食べるのが何よりの息抜きとなります。特に滞在中一度は訪れるのが名店『カリーム』で、ここでは本物のムガライを食す事が出来ます。

■さて、今年からインド・ヴィザセクションが大使館から独立し、外部委託となりました。場所は茗荷谷にあり、拓大のすぐ近くに位置します。ここを取り仕切っているのは、現在も赤坂・溜池山王に店舗を持つGreat Punjabというインド料理屋のパンジャーブ人オーナーB氏で、個人的には古くからの知人です。B氏は在京パンジャーブ人の中でも影響力のある人で、パンジャーブ系イベント開催に尽力したり、東京グルドワーラー(スィク教寺院)設立にも大きな役割を果たしています。
一昨年、このB氏と顔を会わせた時、『インドの大使館の仕事をやるようになった』と聞き、何の事かさっぱり理解出来なかったが今回ヴィザ取得の際、ガラス窓で仕切られた向こう側にB氏の姿を見てはじめて理解できました。とはいえカウンター内の女性職員の応対は相変わらず倣岸不遜で、人間とはこうしたガラス内の単調作業を続けると皆このような応対になってしまうのか、不思議といえば不思議な思いにかられました。
posted by asiahunter at 10:21| Comment(0) | ■更新案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする