2008年11月27日

『未来を写した子供たち』

売春街で生まれ育った子供たちにコンパクト・カメラを与え、撮らせた写真を公開する事で基金を集めその子供たちの教育資金にしようとする女性を追ったドキュメンタリーで、2004年にアカデミー賞(長編ドキュメンタリー賞)を受賞している作品。昨日、私は銀座まで自転車こいで観に行った。


インド最大の赤線地帯として有名なボンベイのカマティプラと並ぶ、カルカッタのソナガチが舞台。カマティプラにしろソナガチにしろある種の極限性を象徴する場所なので、例えばタージマハルが観光客を魅了してやまないのと同様、カメラマンやジャーナリストといった人々にとって昔から被写体としての磁力が強い聖地であり、この映画の製作者であるザナ・ブリスキ氏もそのタイプの一人である。彼女はソナガチに住んでいる。
彼女が子供にカメラを与えたのは、それによってもたらされる既成の写真家には無い視野の獲得を当初は狙ったのではないだろうか。しかし子供たちによって撮影された数多くの素晴らしい写真を前に、それを資金に教育資金をと海外での展示販売イベントの開催を行う。子供の中の一人は写真団体の招聘によってオランダに研修旅行まで果たす。
子供を海外に送るためのパスポートの獲得や、資金を得たのちも売春街育ちという理由によって拒絶する私立学校の壁の厚さなどのインドならではの困難が執拗に描かれる一方、海外での写真展開催に至る経緯・インド内外のマスコミにPRした経緯は省かれていて、そちらの方は比較的容易にクリア出来たかのような印象を受けた。

少年の撮った写真の中に、ゴミだらけの中、皿からこぼれたカレーの付いた米と薄汚れたサンダルが並んで写しているものがあり、正にカルカッタの汚濁を象徴しているような写真だった。少年のセリフに 『ここ(カルカッタ)はとても汚い。田舎はきれいだ』 というのがあったが、実際ベンガルの田舎は美しい。それは生活に不要なものは存在しないという種の美しさである。一度そういう生活を美しいものとして知ってしまうと、都会がとても汚れた場所のように感じられてしまう。

このドキュメンタリーの撮影時期(2000年ごろ)に流行していたMohabattainの中の『Aankhen Khuli』が通りすがりの風景として使用されているだけでなく劇中挿入歌として使用されていた。この曲を映画館の暗闇の中で聞くと当時のインドを懐かしく感じてしまい、久しぶりにインド映画が見たくなった。

posted by asiahunter at 11:46| Comment(0) | ■インド文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月21日

テイクアウト料理

インド滞在中の楽しみは何といってもスパイシーな食事だが、スパイシーな食事につき物の冷えた美味いビールを手軽に入手する事が、ごく最近までインドでは難しかった。
インド人はお冷や冷たい飲み物に氷を入れるのを嫌う。飲食店などで氷入りのお冷を出されると氷を抜いてくれ、と付き返すほどだ。あまりにも冷たすぎる飲み物は体に良くない、と信じているようである。

この思考がビールにも当てはまっていたのだろう。ごく最近まで酒屋に冷蔵庫が無かった。ビールなどは常温で売られていた。冷蔵庫で冷えたビールが売られるようになったのはここ数年の事であり、また缶ビールも珍しくなくなってきた。

そのようにインドの進化にともなって、私もテイクアウトのチキンカレーを肴に冷えたフォスター・ビールなどホテルの一室で楽しむ事が出来るようになったのである。
食事はともかく、インドではまだ外で酒を飲むと高く、酒屋で売られている2〜3倍は取られるので、最近は飲みたい時は常にこのスタイルである。

テイクアウトのバリエーションも多く、基本的にどんな店でもどんなメニューでも大体テイクアウトOK。インド料理の他にも中華やチベッタンなど楽しめる。↓はモモのテイクアウト屋さん。

posted by asiahunter at 22:29| Comment(0) | ■カレー日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月19日

網膜剥離

先月(10月)の事になりますが、網膜剥離を患い、約3週間ほどの入院生活を余儀なくされました。
初期症状としての眼の違和感は実は既に9月のインド仕入中に感じてはいて、しかしインドの眼科にかかるのはやや抵抗があり、また忙しく旅行保険にも無加入なためにそのまま放置。帰国後もナマステインディアなどイベント出店準備などあり、結局病院で診察したのが初期症状を感じて3週間後。
あとになって知ったのですが、網膜剥離は早期発見・早期治療が肝心で、3週間も放置など言語道断との事。不幸中の幸いで剥離箇所がそれ程拡大しなかったため、以下に記すような初期的手術で済んだものの、通常は長期間の放置によっては失明に至る怖ろしい病気です。
診察後、いきなり緊急手術が必要との事で、とりあえず本日只今から入院するよう無茶な指示をされる。目薬程度の治療を想定していたので一度帰宅するつもりが、振動・運動などで剥離部分が拡大するため、その日のうちから絶対安静を命じられる。病室はあいにく価格の高い個室しか空きが無く、半強制的にそこで安静体制となる。翌日、眼球の中にガスを注入するという手術を受ける。麻酔をかけているとは言え、眼球に注射針を刺すなど、身の毛のよだつ恐怖におののきその夜は満足な睡眠が得られない。

眼球内にガスを注入し、浮力の原理で剥がれた網膜を奥に押さえつけ、更にレーザー光線を当てて剥がれた網膜部分を焼き、損傷を与えることで縮小させるという方法で手術は進む。このレーザー光線が痛く、ガス注入後、日を分けて数回受けたが、眼の奥に五寸釘を打ち込まれるような感覚。それが約30分続く。この治療中、眼球内のガスを奥に押し当てるため、一日中、うつぶせの姿勢をとらなければならない。
24時間のうつぶせは非常につらく、腰など痛めるので湿布なども看護婦さんに貼ってもらう。またトイレもうつぶせでは出来ないので、尿瓶を渡される。

いずれにしても、非常につらい入院生活を3週間ほど送り、先日ようやく退院しました。改めて健康とりわけ眼の重要性を痛感した日々でした。
posted by asiahunter at 19:06| Comment(1) | ■障害情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする