2006年09月13日

ガネーシャ・チャトゥルティーvol.2

『ガネーシャ・チャトゥルティー』祭の起源はヒンドゥー神話・伝承に由来する家庭祭事だが、現在のような形で開始されたのは比較的最近になってからで、その実態は今世紀初頭活躍した反英運動家・ティラク(※)民族意識の高揚のために政治的に企画されたイベントである。



B.G.ティラク(BalGangadharTilak/1856〜1920)は20世紀初頭のインド・民族独立運動の中で最大の指導者とされる。プーナ出身であり、マラティー語機関紙「ケーサリー(獅子)」によってその急進的民族主義思想を展開、当然イギリスによって弾圧され、6年間に渡りビルマで獄中生活を送った。釈放後渡英し、イギリス世論にインド自治要求を訴えた。

大衆的祭事としてのガネーシャ・チャトルティーは、このティラクによる、反英民族主義を大衆レベルで展開させることを目的として開始された民族意識高揚イベントである。
とは言えそもそもの出自がそうであるからといって、現在において祭が政治的利用されるといったことはなく、一般的な意味合いにおける祭の意義を遂行する形で執り行なわれている。つまり一つの神格を共有することによって生じる宗教的、地域的結束の確認と強化、あるいは神格を崇拝することによって得られる利益や効果の約束である。

祭の進行は家庭内祭事を踏襲する形となっている。一定の範囲に居を同じくするヒンドゥーの人々、つまり町内会的な結合が一つのガネーシャ神像及びそれを祭るマンダパ(仮設神殿)を共有する。この結合を通常マンダル、あるいはサルホジャニック・ガネーシャストと呼ぶ。後者は「みんなのガネーシャの集まり」という意味である。
このマンダルにそれぞれの居住者より寄付金が集められて神像の購入、マンダパの設置などがなされる。マンダパ上の装飾は神話の一場面を再現したものや、大きなシヴァ神、ガウリー女神をかたどったものなどが中心であるが、そこには厳密な決まりはなく、単に見た目が美しいだけのデザインであることもある。

家庭内祭事との一番の相違点は神格が降臨している期間である。
上記のように、その期間は各家庭によって違うが、大衆的祭事における降臨期間は10日間である。最終日はやはり家庭内祭事と同様にヴィショルジョンする。ただもちろん、神像を共有している人々の数が多くなるため当然、その規模も大きくなる。特にボンベイのヴィショルジョンは人口が多いので非常に大規模で見ごたえがある。
posted by asiahunter at 23:59| Comment(0) | ■インド文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする